2018年07月27日(金)

本日は、NHK記者の山屋智香子様にお越しいただき、医療保険制度の不正利用についてご講演いただきました。
はじめに、「クローズアップ現代」の映像をもとに、外国人が医療目的で来日し、日本の医療保険を不正に利用している問題についてお話しいただきました。外国人が治療を受けるために来日した場合、原則として保険に入ることはできませんが、留学、仕事、扶養の目的でやってきた場合は可能です。番組では、娘夫婦の扶養に入ることを建前とし、本当の目的は医療保険を利用した治療で来日した中国人に取材をしていました。その中国人は、日本の保険で命が助かればありがたいと話していましたが、保険料を納めている日本人からしたら、不公平だと感じました。
次に、今朝の「おはよう日本」で取り上げられた、海外療養費制度と出産育児一時金の不正利用問題についてお話いただきました。これらは、海外で受けた医療も保険適用対象になるという制度ですが、海外での治療は確認を取りづらいことから不正が相次いでいるそうです。今年6月に明らかになった不正では、海外療養費制度を利用するため提出された現地の病院の領収書が、すべて偽造されていました。不正を行った男性によると、中国の知り合いにお金を払って作ってもらったそうです。また、出産育児一時金をめぐっても不正が疑われています。日本に住むネパール人の女性が母国で出産したとして自治体に提出した証明書に記載された病院の存在が確認できない事態が起こりました。東京のある区では、昨年度支払われた一時金のうち、海外での出産が4割を超え、多すぎるのではないかという指摘も出ています。
こうした問題が起こる背景には、自治体には海外での治療をチェックするノウハウがないため、言われたままに支払ってしまうという事情があるといいます。番組で、取材を受けた菊池先生は、「審査を市町村にやらせるには限界があるので、国としてチェック体制も含めて審査のあり方を検討する必要がある。」と話しておられました。
このような不正に対しては、制度の信頼にも関わるので、今後厳しい規制や対応をしていく必要があると感じました。
最後になりましたが、大変お忙しい中、私たちのためにお話をしてくださった山屋様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

3年 嶋村 優