今回、富岡町にあるふたば医療センター付属病院を訪問させて頂きました。はじめに谷川病院長と児島副院長からお話を伺い、その後に病院内の見学をさせて頂きました。ふたば医療病院は平成30年4月と開院して間もないですが、住民の方々が安心して暮らせるよう幅広いニーズに応えながら医療を提供しています。また、在宅・訪問医療に力をいれており、病院内での医療提供だけでなくその後のケアによって地域包括ケアシステムの構築を医療面から支えています。住民の方々が元気に安心して暮らすことができる町づくりは、入院中の生活指導、栄養指導や服薬指導などの支援や退院後のケアに大きく起因しており、救急医療だけでなく在宅医療へと繋いでいくことの大切さについて学ぶことができました。
ふたば医療センターには診察室や病室だけでなく幅広いニーズに応えるための設備が整っています。1つ目はヘリポートです。ヘリコプターによっていわき市や郡山市にも航空輸送が可能であり、このような遠隔診療支援によって然るべき処置を取ることができます。これによって標準的な医療の質を保つことができているということを仰っていました。2つ目は救急治療手術室です。この部屋は救急車から患者を直接運ぶことができるという工夫がされています。また密室にして部屋自体を除菌することで通常の病院の手術室と変わらない程度の清潔な環境で手術をすることができるそうです。3つ目は調剤薬局です。薬局はそのものの数が少ないため病院内に設置してあることで診察してすぐに薬を受け取ることができる便利な環境が整えられています。4つ目はリハビリテーションです。リハビリテーションが設置されているのはふたば医療センターだけであり、ここには通常の訓練器具だけでなく浴槽や台所も設置されていました。これは退院後にひとりで蛇口をひねったりお風呂の蓋を開けたりする練習に使うそうです。さらにトイレはなるべく補助なしで使えるように滑りにくい素材でできた手すりが用いられており、このような細かな設備からも在宅支援の充実さを実感しました。またふたば医療センターは頑丈なプレハブ素材であること、全部で30床のうち12床が完全個室で18床がパーテーションで仕切られているつくりであること、廊下が広くつくられていることから、例えば介護施設など、その時のニーズに対応した使い方ができるという柔軟さをもちあわせています。医療という側面からだけでなく地域包括ケアや将来のニーズを見据えた柔軟さという視点からも住民の方々の「安心」が支えられているということを実感しました。今回はお話をしていただくだけでなく、病院内を見学させていただくという貴重な経験によりふたば医療センターの在り方を全身で学ぶことができました。お忙しい中ご協力いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。

城崎のぞみ