私たちは今回の福島合宿の2日目に、NPO法人Jinさんを訪問させていただきました。そこで、代表の川村さんより、お話を聞かせていただきました。

1 川村さんのお話
① トルコギキョウ栽培
川村さんによると、NPO法人Jinでは、地域の復興のために農業に取り組んでいます。当初は野菜などの栽培を目指していたそうですが、風評被害などによりうまくいかなかったようです。そこで、風評被害の少ない花の栽培を始めたそうです。実際に栽培を始めたトルコギキョウは、長野のトルコギキョウ栽培者の人のもとへ学びに行ったそうです。その結果、川村さんの作るトルコギキョウは、相場の3倍ほどの価値が付き、東京などにも出荷しているそうです。キーワードは“日本一”、質の高い高価な花を栽培し、浪江町からの出荷額1億円を目指しています。

② 若者を浪江町へ
浪江町でなりわいをする人がいなくなれば、近い将来、地域が疲弊していってしまいます。そこで、川村さんはこの花をツールに、若者を浪江町に呼び込みたいそうです。そして、若者でも従事してくれるような農業の形を川村さんは模索しました。その結果、土日完全休、1日8時間労働、手取り500万円という、新しい形の農業を作り上げました。

2 川村さんのお話を聞いて
今回の川村さんの話や様々な施設訪問を通して、浪江町などの復興途中の町は、地域社会のあり方が以前と全く変わってしまっているのだと痛感させられました。特に、若い世代の人たちをどのように町に呼び込むかが課題であると感じました。しかし、実際にはこのような状況は前例がないため、解決は容易ではありません。そのような中で、川村さんのように、自ら解決策を探し、それを実行に移すということは、とてもすごいことだと感じました。

今回の訪問を通じて、川村さんをはじめ、現地の方の生の声を伺えたことは、自分にとって非常に貴重な経験となりました。
最後に、お忙しいなか、私たちにお話をしてくださった川村さんをはじめ、NPO法人Jinの関係者の方に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。

山澤 太一