令和4年11月24日 

本日のゼミでは、社会福祉法人昴で理事長を務めていらっしゃる丹羽彩文様にお越しいただき、「障害のある人への支援の魅力~明日、革命起こそっかな!?~」というテーマでご講演いただきました。

まず、昴の活動の概要をご説明いただき、次に、障害者女子ソフトボールチーム結成や障害者の方の作品の展示、小学校の見守り隊(旗振り)など具体的な取組を教えていただきました。ソフトボールでは埼玉西武ライオンズとコラボしたり、作品展示に関してはインスタに絵をアップしていたところパリのギャラリーから出展の声がけがあり、さらにそれをたまたま見に来ていた有名ファッションブランドのデザイナーとつながったりと、思いもかけない出会いがあったそうです。エピソードを紹介してくださるときにおっしゃっていた「もはや支援をしているというより、私たちが新しい世界に連れて行ってもらっている」という丹羽様のお言葉が心に残っています。支援する側-される側という従来の枠組みに囚われない障害者支援の向き合い方が伝わってきました。

昴の活動拠点の一つでもある東松山市には、「障害の有無に関わらずすべての市民がともに暮らすことのできる地域づくり」をめざす自立支援協議会という組織があることも伺いました。東松山市の自立支援協議会は、単に福祉サービスの拡充という観点からだけではなく、育ち・学び・働き・暮らし・住まいなどを包括してまちづくりの観点からプロジェクトを進めています。こういった組織の存在を知ることができたのは、地域を重要な連帯基盤と位置づける当ゼミにとって、大きな収穫となりました。このように意識改革から始めて先進的な取組をしている自治体もあれば、そこまで追いつけていない自治体もきっとあるでしょう。どのようにして全国に輪を広げていけばいいのか、考えさせられる課題でした。

最も印象的だったのは「障害を負わせているのは社会の方」というメッセージです。ちょうど先週のゼミの判例研究で、特別支援学校への就学通知が出された人工呼吸器を必要とする児童の保護者が、インクルーシブ教育を求めて地域の小学校に入学できるように訴えた事件を取り上げており、ゼミ生の中には手厚いサポートが受けられる特別支援学校の方が適しているのではないかと考える学生が一定数いました。私もその一人でした。しかし、幼いときから別々の学校に通い、顔の見えない関係になることは、「あちら側」と「こちら側」を分け、障害を他人事に考えてしまう原因の一つになると気づきました。これは無意識のバリア=障害になると思います。そもそも社会の側がもっとバリアフリーであれば、障害を持っていても「壁」という意味での障害は感じずに生きることができるはずです。今までなかなかわが身のこととして捉えられなかった障害の問題ですが、今回の丹羽様のご講演をきっかけに、無意識のうちに自分にかかっていたフィルターに少し気づくことができたと思います。

ご多忙の中、出張帰りでお疲れのところご講演いただいたと伺っております。
感想を書かせていただいた身として、この場でゼミを代表して御礼を申し上げたいと思います。
丹羽様、貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。

3年 来住薫