「菊池ゼミ」を一言でいうと?

 いい意味で忙しいゼミです。「ガチゼミ」(笑)。やる気のある人にとって、ゼミでの授業はもちろん、授業以外の課外活動を通じても成長できる場所です。
 学生のやる気次第でやりたいことが何でもできる環境を目指しています。

菊池ゼミでは、何を学ぶのか?

  社会保障法は、(法学の中でも特に)人々の日常生活に密接に関わる法律分野の1つです。このゼミで扱うのは、医療、年金、介護、福祉、貧困、失業、子育て...。どれも人々の生活に関わる法制度です。とりわけ社会的弱者と呼ばれる人々に寄り添った視点を持つことが大切な分野だと思います。
 このような人々の抱える問題を正面から扱うゼミは、他にないのではないでしょうか?法学部では稀なテーマを扱っていますが、さきに述べたように、社会保障法は社会的には最重要課題の1つであることは確かです。
 また、少子高齢化が進行し、国家財政も厳しい局面にある今日、単に社会的弱者を守るということが難しくなっている中で、どうやって制度維持をしていくのかという「マクロ」な視点も必要と言えます。

菊池ゼミの魅力、社会保障法を学ぶ意義は?

 先に述べたように社会保障法は、国民の生活に密着した分野です。社会的弱者など、様々な状況で苦しんだり問題を抱えたりしている人々の具体的な状況を知るには、机上の勉強では賄えない部分があるのではないでしょうか?
 そこで、私は「現場主義」という考え方を大切にしています。ゼミでの普段の活動である判例研究は、論理的思考を育てる上でもちろん大切です。
 しかしそれのみならず、実際に問題を抱えている現場に行き、人々の様子を見聞きすることで、日本の社会保障制度が直面している問題を真に理解することができるのではないでしょうか。
 この「理論」と「現実」の密接な関係を感じられるのがこのゼミの魅力です。学生には、当事者意識をもって課題に臨むことを期待します。

Profile

氏名:菊池 馨実(きくち よしみ)

職名:早稲田大学法学学術院教授

専門分野:社会保障法(年金・医療・福祉)

略歴:1985年北海道大学法学部卒業、1993年同大学法学研究科博士課程修了(博士〔法学〕)。 日本学術振興会特別研究員(PD)、北海道大学助手、大阪大学大学院法学研究科助教授、早稲田大学法学部助教授を経て現職。

主な研究業績:『年金保険の基本構造』(北海道大学図書刊行会、1998年)、『社会保障の法理念』(有斐閣、2000年)、『社会保障法制の将来構想』(有斐閣、2010年)