文:高平真菜

令和4年11月7日、8日

 先日、菊池先生と当ゼミ4年生8名で、2日間にわたり長野県塩尻市にある社会福祉法人サン・ビジョン様の施設に訪問させていただきました。
 1日目、まず初めに訪問させていただいたのは、社会福祉法人サン・ビジョン様が運営する塩尻市内のサンサンワイナリーです。美しいワイン畑と北アルプスが望める景色の素晴らしい施設内のバルコニーで昼食をいただいたあと、早速、醸造家の田村彰吾様のご説明のもとワイナリー見学をさせていただきました。ワイナリー施設はチリひとつなくとても綺麗で、清潔な環境でした。ワインの製造においては、食品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法である「HACCP」を導入しておられました。このように、衛生的な環境で、徹底した品質管理をなさっている背景には、「綺麗なワインは、綺麗な場所からしか生まれない」というベテラン醸造家の方のお考えがあるそうです。生粋のワイン好きである菊池先生も、ワインが発酵している様子を直接みて、大変喜んでおられました。
 ワイナリーの見学のあとは、敷地内のブドウ畑に移動し、実際に作業体験をさせていただきました。塩尻市といえば、言わずとしれたワインの名産地であり、私自身そのような場所で作業体験ができることを大変楽しみにしておりました。サンサンワイナリーでは、普段から障がい者の就労支援を目的とした「農福連携」といった事業も行っておられます。今回私たちは、ブドウを保護するレインプロテクションを片付ける作業を手伝わさせていただきました。作業の合間に、少しブドウの味見をさせていただきましたが、シーズンが過ぎていたにも関わらず、想像以上に甘く美味しかったです。次もし機会があれば、ブドウ収穫のお手伝いもさせていただきたいと思うほど楽しい時間でした。
 作業体験のあとは、塩尻駅の近くにある社会福祉法人サン・ビジョン様が運営するグレイスフル塩尻まで移動いたしました。グレイスフル塩尻は、介護施設と保育施設が一体となった福祉施設で、この日は、グレイスフル塩尻内の幼保連携型認定こども園を訪問させていただきました。可愛い子供たちに会うことができ、とても癒されました。子供たちの英語教育にも力を入れておられるそうで、私も親になったら、子供をグレイスフル塩尻のこども園に通わせたいと思いました。
 この日の最後には、グレイスフル塩尻に隣接する「フォンターナ」にて、美味しい料理と一緒に、サンサンワイナリーの4種類のワインをいただきました。実際にワインをつくっておられる田村様のお話を聞きながら、美味しいワインをいただくのはとても貴重な経験でした。どのワインも美味しく、オンラインショップでも送料無料で購入できるとのことなので、今度じっくりと味わいたいと思います。

 2日目は、グレイスフル塩尻施設内の介護施設を見学させていただきました。まず、グレイスフル塩尻の高層階にある景色のよい部屋で、法人概要、グレイスフル塩尻の概要、介護、相談員の方々のお仕事等について、職員の皆さまにご説明いただきました。お話のなかでも、どのようなケアをしたかをデータベース上に記録する「ケアカルテ」の活用や、介護において、”人の力で持ち上げない”「ノーリフティング」の取り組みが印象的でした。ゼミ員が機械を用いて「ノーリフティング」でベッドから車椅子に移る体験をさせていただきましたが、とてもスムーズに移動できており、介護の肉体的な辛さを軽減するために、今後広く普及してほしいと感じました。
 そのあとは、実際に介護施設の見学をさせていただきました。高齢者がもつニーズにあわせて、グレイスフル塩尻では、特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービスセンター、小規模多機能型居宅介護、ショートステイホーム、住宅型有料老人ホームなど、幅広いサービスを提供されています。見学させていただく中で印象的だったこととしては、特別養護老人ホームに入居されている方が、「ここは、本当に楽しくてよいところですよ。」とお話しされていたことです。正直私は、グレイスフル塩尻を訪問させていただくまでは特別養護老人ホームが入居者様にとって楽しい場所であるというイメージをもっていなかったので、本当に素晴らしい施設なんだと実感できました。また、グループホームに入られている方も、とても明るく元気に私たちにお話しをしてくださり、将来私もこの方みたいにみんなを笑顔にできる元気なおばあちゃんになりたいなと思いました。そのためには、今から明るく元気に過ごさないといけないですね!

 改めまして、このような貴重な機会をくださり、社会福祉法人サン・ビジョンの職員の皆様、本当にありがとうございました。