2023.07.04
2023【 コーヒータイム 】感想
文:3年 伊賀万柚子
訪問日時:2023/06/20(火)12:00-13:00
コーヒータイムなみえ様では、NPO法人コーヒータイムの理事長を務めていらっしゃる橋本由利子様にお話を伺いました。
NPO法人コーヒータイムでは、震災前から就労継続支援B型事業所の運営をはじめとした障害者支援の事業をなさっており、わたしたちが伺ったコーヒータイムなみえも作業所のひとつです。橋本様の他にも、5名の利用者の方々と職員の皆様がわたしたちを迎えてくださり、美味しい昼食をいただきました。
震災前、コーヒータイムは浪江町の大堀地区にありましたが、帰還困難区域にあたるため、現在も帰還どころか除染の計画すら立っていないそうです。橋本様からは、震災後のNPO法人コーヒータイムの歩みや、災害時の障害者支援の難しさについてお話いただきました。
2011年の震災当時15名いらっしゃった利用者の方々は、それぞれご家族とともに各地に避難され、バラバラになってしまったそうです。長引く避難生活の中で、障害のある方が引きこもりがちになってしまうなどの問題が生じ、一刻も早い再開をと同年10月に避難先であった二本松市での再スタートとなりました。その後、もともと二本松市で生活されていた方々も沢山加わり、二本松市には現在事業所が1つと、2つの店舗があるそうです。
二本松市での事業の再開後、問題となったのは利用者間のギャップだったというお話が印象的でした。もともと二本松で暮らしていた方と、避難してきた方の間には経済的な壁が生まれてしまっていました。原発事故の賠償金の有無によるものだそうで、原発事故の問題は避難後の生活にも色濃く影響していることを実感しました。
2022年に浪江町の一部が避難指示解除されたことに伴い、震災から11年を経て、コーヒータイムなみえは今の場所で再オープンとなりました。浪江町は人口が震災前の10%程度まで落ち込んでおり、障害のある方を受け入れる施設もまだ十分ではないようで、できるだけ障害の種別を限定せずに受け入れをされているそうです。実際に利用者の方々が作業されているところを見ながらお話を伺うことができ、それぞれの作業をいきいきとされている姿がとても印象的でした。
当時の具体的なお話を通して、やはり災害時に障害のある方への支援は後手後手になってしまうという実情と、そんな中でも支援の手を止めないことの重要性を感じました。貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。