文:3年 柳田浩輝

訪問日時:2023/06/19(月)15:00-16:00

小高パイオニアヴィレッジでは代表を務めていらっしゃる和田智行様にお話を伺いました。和田様の貴重なお時間をいただき、我々に講演をしていただきました。小高で起業している、あるいは起業しようとしている若者の姿や、実際にガラス工房で女性の方たちがアクセサリーの作成をしているところを拝見させていただきワーカーズベースの実態を垣間見ることができました。

私は、小高区がもともと一万二千人の住民のところ震災の後に戻ってきているのが約3000人であり、しかもその半数以上が高齢者で、正直自分が当事者であれば小高の未来を合理的に考えたときに、町を去ってしまっていただろうと来る前は考えていました。しかし、講演でのスライドに書かれていた「小高は日本唯一最後のフロンティア」や「100の課題は100のチャンス」というフレーズが非常に印象的で、地震や津波で何もなくなってしまったからこそ余白だらけで、起業をしたい若者にとってなんでも実現できることがインセンティブになり、さらに小さい成功体験を積み重ねていくことで町に吸引力が強まって結果として若者が増えるという考えのもとで、懸命に街の再生に尽力されているという内容は非常にパワフルであり、未来を明るいものにしようという意思を感じました。また、地域が成熟しきってしまったときはどうするのかという質問に対しては、大手の資本は入らないだろうと断言されており、一般的に我々がイメージする豊かさとは異なったものを追求していく世界を作りたいとおっしゃっていたことも印象的でした。企業が成長するためには需要が必要であり、その原点は人がいることですが、地域の人口増加は行政が努力している一方で現実的に増加傾向にないことを踏まえると見込めないと思われ、そのようにおっしゃられたと理解しました。

総じて、和田様は非常に小高区の現状を理解されており、そして未来に対し明確な意思を持ちながら活動されていると感じました。お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。