令和5年10月26日

文:佐藤慶

本日のゼミでは、日本年金機構の理事長を務めてらっしゃる水島藤一郎様にお越しいただき、ご講演いただきました。
水島様は、過去に三井住友銀行において副頭取を務められていました。その後独立行政法人 年金健康保険福祉施設整理機構において理事長を務められ、現在は日本年金機構の理事長を務めてらっしゃいます。本日は、そのような民間企業と公的機関の両方での業務のご経験から、主に両者の違いについて、さらに日本年金機構の組織体制についてお話しいただきました。

民間企業と公的機関の違いについて、様々な面からお話しいただきましたが、その中で私が特に印象的であったことを2点述べさせていただきます。1点目は、経営の尺度についてです。民間企業は経営の尺度を「結果としての利益」とするのに対し、公的機関は「ミッションの達成度」とします。これは、民間企業の経営においては、全てのとられる行動は儲からなければ収益・結果とはなりませんが、公的機関は国民に価値を届けることが目的であるということです。2点目は、存在ついてです。民間企業の存在は相対的であるのに対し、公的機関は絶対的にであります。これは、価値や活力の源泉とも関わりのあることであり、民間企業は顧客や市場によって価値が定まることから、自らを相対的に定義し続ける緊張感が活力となります。それに対して、公的機関は、存在自体に価値があり絶対的であることから比較対象がなく、ミッションの価値を信じ続けることが活力の源泉であります。こうしたお話から、民間企業と公的機関相互に補い合って社会が成立しているということを実感しました。就活においても、今回お話しいただいたことを参考にさせていただき、自身の社会における役割を見出していきたいと考えています。

さらに、日本年金機構の組織体制についてもお話しいただきました。組織・人事改革や、実績など印象深いお話ばかりでしたが、特に印象的だったのは女性活躍に関してです。日本年金機構は日経ウーマン「女性が活躍する会社BEST100」において、512社中31位を獲得されるなど、男女差別のない組織だということです。水島様のお話の中で、わざわざ目指すのではなく、男女共に活躍できるような組織を目指していくというお言葉が大変心に残りました。私自身今後の人生において、仕事も私生活もどちらも充実させることを目標としていることから、このような組織全体での意識は重要であると感じました。

最後になりますが、大変お忙しい中、貴重なお時間を割いてご講演くださった水島様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。