本日のゼミでは、現在、内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局審議官としてご活躍されている竹林悟史(たけばやしさとし)様にお越しいただき、「全世代型社会保障の構築に向けて 〜‘‘次元の異なる少子化対策’’を中心に〜」というテーマでご講演いただきました。

 

(1)少子化の現状、(2)少子化対策、(3)働き方に中立的な社会保障制度等の構築、(4)医療・介護制度の改革、(5)‘‘地域共生社会’’の実現などについてのお話を、全世代型社会保障構築会議報告書や昨年の12月に整えられた「こども未来戦略」の概要を交えながら、伺うことができました。

 

現在、少子化問題は非常に深刻なペースで進んでおり、2040年までには生産年齢が6,200万人にまで減少してしまいます。現状のまま2030年に突入してしまうと、少子化問題は歯止めが効かない状況となり、今まさに変革の時代を迎えていると言うことができます。そこで、若者や高齢者に加え、これから生まれてくる将来世代を含めた保障の提供を目指す全世代型社会保障が議論されています。

 

今回のご講演で最も印象的だったことは、仕事と育児の両立に関するアンケートで、「仕事がある日はできるだけ残業をしないようにして子育てをする」と回答した男性が2割にも満たないということです。私自身、子育てに積極的に参入したいという想いがある一方、残業を断ったり、育休を取得したりすることにより、仕事や昇進に影響してしまうのではないのかという懸念があるので、就職活動の中で企業の男性の育休取得率にも注目しています。そこで、「こども未来戦略」の中で、2030年までに男性の育休取得率85%への引き上げを目標としていることを知り、男性が育休を取得できる世界が当たり前となることを望むと同時に、今後の動向に注目していきたいと思います。

 

これからの人生において、決して他人事ではない少子化問題を中心に、全世代型社会保障のお話を伺うことができ、非常に有意義な時間となりました。

 

改めまして、この度はご多忙の中貴重なお話をしていただき、誠にありがとうございました。

 

文 佐野広空