令和6年4月25日

感想

3年 太田菜都乃

 

今回の講演では、現在、認定 NPO 法人自立生活サポートセンター・もやいにて理事長および、内閣
府孤独・孤立対策推進参与を務めている、大西連様にお越しいただき、「「貧困」について、コロ
ナ禍から見えてきたことを中心に」というテーマで、お話していただきました。
コロナウイルスの収束してきた近年において、現在の貧困の実体、それに対して実施している「も
やい」の支援活動の役割をご紹介してくださいました。
また、大西様ご自身の「もやい」で活動することになった経緯をお話いただき、何気ない身近なき
っかけ、何気ない考えから団体を動かす立場までになったことから、自分自身の大学生活を振り返
り、新たに行動できないかと考えさせられ、刺激を受けました。

まず、「現場のリアル」として、貧困層について 3 つの層に分類し、1.「生活保護の利用ができる
程度の困窮状態」を「要保護の層」、2.「要保護と労働市場を行き来している」方々を「生活困難
層」、3.「「自立している」と見られていたワーキングプアなどの状況で恒常的な低所得ふぇ生活
の不安を抱える」「生活不安層」とされていました。これらについて、リーマンショック期では
「要保護の層」の困窮者支援が重要視されており、割合が多かったけれど、近年では、高齢化や非
正規労働者の増加、食料品配布への訪問者状況から、「生活不安層」の増加がいえるといいます。
「生活不安層」の生活では、14 万円程度の手取りから必要経費を引くと生活費や自由に使えるお金
は、要保護層以下になってしまう一方で、審査の厳しい行政の福祉支援では対象外とされてしまい
ます。「もやい」の支援を求める人々にもこの層が増加しており、実際に家を借りる際の保証人、
高齢者には無縁仏等の支援を行っています。

これらをふまえた上で、今回で最も関心を持ったことは、「制度があっても「利用できない」では
意味がない」ことです。
一般的に、「生活保護」や、福祉の支援を受けていることがマイナスの印象を持たせていることが
大きな問題であるそうです。また、社会の公共性の変化から、不安を解消するのは「保護」「エン
パワーメント」のほかに、「連帯」が必要であること、それは社会への信頼に大きく関わると述べ
ていました。セーフティネットについても、時代の家族・就労・地域形態の変化から影響が出てい
るといいます。それについて、性別的役割分業がされ、大家族、多世帯が主流であった頃から個人
が孤立しており、これからは地域社会における結びつきが単身世帯にとって重要視されるべきであ
ると考えられます。これらから、支援形態をより身近で利用しやすく、また根本のネガティブな支
援の印象を払拭させるべきであるといえます。
しかし、印象や一般意識は簡単に変化させられるものではないことを考え、大西様の活動を続ける
姿勢に改めて、感銘を受けました。
自身のできることと、社会の状況を俯瞰することで求められる最善の支援に参加したいと思いまし
た。
改めまして、この度はご多忙の中、貴重な機会をありがとうございました。

 

文:太田菜都乃