令和6年5月16日

感想

3年 松尾有紗

 

本日のゼミでは、過去に毎日新聞で務められ、現在は植草学園大学副学長(教授)、一般社団法人スローコミュニケーション代表、毎日新聞客員編集委員としてご活躍されている野澤和弘様にお越しいただき、「令和の幸福論」というテーマでご講演いただきました。

児童虐待・いじめの実情と時代の移り変わりによる子どもの非行の変化から、子どもたちが社会に出て幸せに生きていくために必要なこと、また、自立が困難なものに対する社会のアプローチの問題点から、人が生きるために本当に必要なものとは何かということについてお話しいただきました。

その中でも、私が最も考えさせられたことは、子どもたちが社会に出て幸せに生きていくためには何が必要なのかということです。日本では、戦後、凶悪な少年事件が多発していましたが、法改正や警察の力によって鎮圧されました。しかしながら、近年ではいじめ、不登校、引きこもり、自殺の発生件数が増加しており、この関係性について野澤さんは、子どもたちの逸脱するエネルギーを法や警察の力で封じ込めた結果負のエネルギーが内側に向いてしまっているのだとおっしゃっていました。結局のところ、法や警察の力では根本的な解決に至っていないという事なのでしょう。

それでは、根本的な問題を解決し、子どもが幸せに生きるために何が必要なのでしょうか。講義の中で触れられていた、凶悪な少年犯罪で逮捕された少年少女らは、過去に両親が離婚していたり、虐待やいじめを受けていたりと、生い立ちに何らかの問題があったのだそうです。したがって、貧困を解決し、家庭内の環境を整え、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障することが必要であり、そのために存在するのが、公的扶助や社会福祉といった社会保障なのだと思います。しかしながら野澤さんは、お金や施設を与えても、孤立や疎外感を満たすことはできず、今日の「健康で文化的な最低限度の生活」を満たすことはできないのだとおっしゃっていました。根本的な解決のためには、人々の孤独感や疎外感を満たす必要があるということなのだと思います。

このことから考えたことは、人とのつながりができる場を提供していくべきなのではないかということです。誰かとつながりを持ち、お互いに相談し、見守る関係性があることで、良好な家庭環境をつくり上げる事ができるため、子どもにとっても良い影響を与えることができるのではないでしょうか。

人が生きていくために本当に必要なこととは何か、熟考することのできる貴重な機会でした。

改めまして、この度はご多忙の中、ご講演いただきありがとうございました。

文:松尾有紗