令和6年6月26日

感想

3年 白井綾乃

コーヒータイムなみえ様では、NPO法人コーヒータイムの代表理事を務めていらっしゃる橋本由利子様、任意団体なみともの代表、いわき双葉の子育て応援コミュニティ「cotohana(コトハナ)」の共同代表を務めていらっしゃる小林奈保子様、まちづくりNPO新町なみえの理事長を務めていらっしゃる神長倉豊隆様にお話を伺いました。

NPO法人コーヒータイムでは、震災前から就労継続支援B型事業所の運営をはじめとした障害者支援の事業をなさっており、今回伺ったコーヒータイムなみえも作業所のひとつです。今回はコーヒータイムの利用者の方々が作ってくださった美味しいカレーを頂きました。震災以前はインドカレーのような本格的なカレーを作っていらっしゃいましたが、震災を機に、「家庭の味」の尊さを再発見され、そのような味付けに変更されたとおっしゃっていました。
震災後、当時15名いらっしゃった利用者の方々は皆さま無事で、それぞれのご家庭にてしばらく過ごしていらっしゃったそうですが、やはり避難生活を通して障がいのある方々の暮らしの場が希薄になってしまったこともあり、一刻も早い再開をと同年10月に二本松市にて事業を再開されたそうです。二本松市で生まれ育った利用者の方々とも一緒に活動をされていたそうですが、浪江町で生まれ育った利用者の方の中にはやはり地元浪江に帰りたいとの思いが強い方が多く、2022年に浪江の町でも再開されたそうです。このことは職員や利用者の方にとってだけではなく、浪江の地域の方々にとっても、居場所が返ってきたと言ってもらえることも多いと伺いました。復興にあたっては、物資や住まいの復旧に目を向けられがちですが、やはり人と人とのかかわりやそのための居場所が大切なのだということを実感しました。

任意団体なみともでは、浪江町で「町の人と共にここで楽しく暮らそう」「友達の輪を広げよう」をコンセプトに、老若男女問わず人と人がつながる場づくりに取り組んでいらっしゃいます。小林様が浪江町に移住して来られた当時はコミュニティスペース等もなく、人と人との繋がりが希薄であったことから、その拠点づくりのためになみともを立ち上げられたそうです。2022年3月には「新町にぎわいマーケット」を開催され、キッチンカーやフリーマーケット等、震災前の賑わいを取り戻そうと様々な取り組みをなさったこともあり、大盛況に終わり、現在でも継続して開催されているそうです。
また、小林様は、浪江町に若い世代の方を増やすためにも、「子育てし良い」街づくりを目指し、cotohana(コトハナ)も立ち上げられました。
当初は子育て情報が一元化されておらず、小林様ご自身も苦労されたという経験から、子育てに必要な様々な情報をまとめた冊子やwebマガジンを発行され、子育て世代に向けた様々な活動を行っていらっしゃるそうです。今後は小学生や中学生の親御さんに向けた進学や部活動の情報の発信等も手掛けていきたいとおっしゃっておられました。
ご自身の経験を活かし、実際に地域やそこに住む方々のために様々なアクションを起こしていらっしゃる小林様のお話に力をいただき、自身も今勉強していることや興味を持っていることに全力を注ぎ、何か社会に還元できるよう励みたいと感じました。

まちづくりNPO新町なみえの理事長を務めていらっしゃる神長倉豊隆様は、震災以前は新町商店街で生花店を営んでいらっしゃったそうです。卒業入学等でお店は大繁盛の3月に震災が起こり、避難生活を余儀なくされたそうです。
震災から2ヶ月経った5月頃に、新町商店会の方々でまちづくりNPO新町なみえを立ち上げられました。避難でバラバラになってしまった町民の方々のために何か出来ないかと試行錯誤され、伝統の盆踊りを復活させることになり、二本松市で「浪江の盆踊り」を開催されたそうです。町民の方々はそれぞれの避難先から駆けつけられ、あちらこちらで感動の再会があったそうです。
その後も神長倉様は定期的にお祭りや町民交流会の実施、自治会支援など様々なことに奮闘してこられました。
未だ浪江町に戻ってくることの出来ていない方々も多くいらっしゃるそうですが、既に浪江町に戻ってこられた方への支援にとどまらず、将来浪江町に戻っていらっしゃる方々をも温かく迎え入れるための体制整備が必要であるとおっしゃっていたことが印象に残りました。

それぞれ異なる立場でありながらも浪江町の復興やさらなる発展に向けて尽力されている皆様の貴重なお話を伺うことができ、学ぶことが大変多くありました。
この度は貴重なお話をありがとうございました。

(訪問日時:2024/06/26(火) 11:00-13:00)