2024.10.21
【レポート】特別講演「血液がんの治療と医療保険の課題」橋本明子 様
令和6年10月10日
感想
3年 栗原彩乃
本日のゼミでは、NPO法人血液情報広場つばさ理事長としてご活躍されている橋本明子様に起こしいただき、「血液がんの治療と医療保険の課題」というテーマでご講演いただきました。
現在、血液がんは短命ではなく長期に闘病できるようになり、その医療の1つの側面として、小児がんの方が大人になることができるようになった一方で大人になっても問題を引きずっていくという現状にあります。またそれと等しく、長期になるということは、みんなでその問題を抱えていかなければならないということになります。
今回のご講演で最も考えさせられた言葉は、「がん治療には経済毒性がある」という言葉です。多くの方々が待ち望んだ「薬飲めば治るようになるといいね」という時代が到来した一方で、1錠4000円もする薬を毎日服用しなければならないという経済毒性を発生させました。それは「がん患者でも働かなくては生きていけない。副作用があるのに。」という状況を生み出しており、中には「家のお金を自分の病気のためにそれだけ使うことはできない。」と判断する方もいらっしゃいます。長らく願っていた時代がようやく到来したのに、このような問題を抱え、新たに時代が進むと新たに問題が生じることの繰り返しが生じているように感じました。ただ、これらの声を全て聞くことができた理由は、それを病気に関して相談できる先が去ったことであり、病気になったことで子供時代や青春時代などの周囲と共にする大切な時間を犠牲にした一方で支えあう仲間ができ、その仲間と繋がることができることは本当に重要な場所であり、守ってさらに拡大していくべき場所であると思います。
さらに、ドナー登録に関しても、それが理解される社会づくりが急務になっています。育児休暇等福利厚生が整っていく一方で、現在のドナー休暇を取り入れている企業は約3.6%しかありません。この状況を社会的に理解してもらうまで周知させる活動が必要であると感じました。
末筆ながら、大変お忙しい中、貴重なお時間を割いてご講演くださった橋本様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。