令和7年(2025年) 6月9日、10日

先日、菊池先生と当ゼミ3年生21名で、2日間にわたり福島県の南相馬市(小高区)、双葉郡(浪江町)に訪問いたしました。

4年生を含めた希望者と菊池先生のみ8日から前泊し、いわき市を訪問しました。


菊池ゼミ 2025年度福島合宿レポート(1日目)

文:野嶋優那(東京電力廃炉資料館)、田村つくみ

 

〇東京電力廃炉資料館

合宿1日目の午前は、東京電力廃炉資料館へ伺いました。映像や実際の部品を見ながら、原発事故が起こった一連の流れを学びました。福島原発には、当時想定されていたレベルの災害には十分対応できるほどの非常用安全システムが備えられており、震災発生時もそのシステムが正常に作動したのにもかかわらず、東日本大震災はそれを超えるレベルの災害だったため、結果的に爆発事故が引き起こされてしまったというお話が衝撃でした。しかし、そんな中でも懸命に事故の発生を防ごうと、自分の命を顧みずに働き続けた作業員の方々がいたことに胸を打たれました。

国内でも他の原子力発電所が稼働を再開している中で、今後二度と同じような事故を起こさないために、またエネルギー確保と人々の安全を両立するために、私たちは何ができるのかを、一消費者として考え続けていかなければならないと思いました。

午後は、特別養護老人ホーム梅の香の伊関育子施設長、小高交流センターで小高区地域復興課おだかくらし担当課長の高野真至氏、旧小高教会幼稚園で日本キリスト教団事務局長の飯島信氏にお話を伺いました。

〇特別養護老人ホーム梅の香

梅の香では、震災後現在に至るまでの施設の状況について伺いました。特に南相馬福祉会を取り巻く問題において、人材の確保が困難である現状が印象強いです。その中で、IT技術を駆使し負担の軽減や業務効率化を図る点が大変勉強になりました。

 

〇小高交流センター

小高交流センターでは、南相馬市民が被災者として今望むことと表し、当時のこととこれからのことについて伺いました。当時の情報のない中、避難区域設定や流通停止に混乱しながらも懸命に動く人々がいたことを痛感しました。現在は特に若い世代の減少が大きく、医療機関や教育機関の減少があることが印象深いです。最後に市外の私たちに向け、市民の心の居場所づくりや福島を伝えること、福島を繰り返さないことを伝えてくださいました。学んだことを踏まえ自分が何をすることが出来るのか考え行動していきたいと強く感じました。

 

〇旧小高教会幼稚園

旧小高教会幼稚園では元園生だった人たちから打ち壊しを引き止められ残すことになったことを伺い、こうして私たちも当時の様子を感じることが出来ることに感謝しました。