2025.10.13
【レポート】特別講演「障害者福祉の動向と課題」丹羽彩文様(社会福祉法人昴理事長、特定非営利活動法人全国地域生活支援ネットワーク事務局長、社会保障審議会障害者部会委員)
令和7年10月9日
感想
3年 伊藤花奈
本日のゼミでは、社会福祉法人昴理事長、全国生活支援ネットワーク事務局長としてご活躍されている丹羽彩文様に起こしいただき、「障害のある人への支援の魅力」というテーマでご講演いただきました。
丹羽様は「わかちあう 街、人、笑顔」をテーマに様々な活動を行われています。地域ぐるみでの支援を通じて、障害を持つ人や支援する人が少しでも過ごしやすい社会となるように、教育や協議会などのあらゆる面から新たな取り組みを導入されており、障害者福祉のイメージが大きく変わりました。
ご講演の中で特に印象的だったのは、障害のある方々を支える「意思決定支援」に関 するお話です。意思決定支援とは、自ら意思を決定することに困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された豊かな生活を送ることができるように、可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援することです。そのためにも支援された決定と代理代行決定を区別し、障害者福祉における地域レベルで連携を取り合っています。埼玉県東松山市では、自立支援協議会を中心に市民団体や教育機関など様々な方と話しあいながら、障害の有無にかかわらずみんなが住みやすい街を作れるようにと取り組まれている点が印象的でした。このお話を聞いて、私たちは障害を持つ人に対して、意思決定が困難だと決めつけ、つい周りの事情や利益を優先してしまい、希望や願いを表現する機会を与えられていないのではないかと感じました。だからこそ、自己決定支援を行い、障害を持つ人も暮らしやすくなるような取り組みの必要性を強く実感しました。またそれと同時に、支援を行う側も、この支援を通じてより障害のある方への理解を深めることができるのではないかと考えました。
さらに自己決定支援だけでなく、全国の団体と連携して芸術文化交流事業やラッピングバスプロジェクトなども行い、ともに生きる地域社会づくりに取り組まれています。これらの活動を通じて障害のある人も自分らしく生きることのできる社会になると思います。私たちも他人事ととらえるのではなく、当事者の方々を支える一員として何かできることはないか意識し少しずつ取り組んでいく必要があると思いました。
末筆ながら、大変お忙しい中、貴重なお時間を割いてご講演くださった丹羽様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。