2025.11.24
【課外活動】栃木遠征 感想
令和7年11月11日
感想
3年 早田若葉
先日、菊池先生と当ゼミ3、4年生の計10名で、栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリー様とこころみ学園に訪問させていただきました。
ココ・ファーム・ワイナリーでは、こころみ学園に入所する障害のある方が様々な形でワイン造りや原木椎茸の栽培に関わっています。こころみ学園には、主に知的障害のある園生の方が暮らしており、園生の方々はぶどうの栽培から収穫、瓶詰め、ラベル貼りに至るまで、多くの工程に携わっています。こうした取り組みの中で生まれるワインは、品質の高さでも高く評価されており、JAL、ANAの国際線ファーストクラスや、日本で行われるG7サミットのワインにも採用されるほどの素晴らしいワインとして多くの人に知られています。
私たちは、まず初めに園生の方々が椎茸の原木を運んでいる現場を見学させていただきました。山の中腹にある原木置き場から、1mほどある原木を下のビニールハウスまで運ぶ作業を何往復も行います。この仕事に携わっている方は強度の自閉症や重度の知的障害を持っている方々が中心です。統括管理者の越知様が、原木を運んでいる園生の方々の紹介をしてくださり、入所した頃との違いや成長したエピソードなどを教えてくださいました。
続いてブドウ畑を案内していただきました。平均斜度38度という急勾配の山を切り開いて行われているのが特徴であり、機械を入れることができないため、すべての作業は園生の方やスタッフの手で行われます。ここではぶどうの仕立て方の工夫などを教えていただきました。
次に、こころみ学園の施設の中を案内していただきました。私たちが訪問したのは昼食の時間であり、食堂を見学させていただいたところ、園生の方が4〜5人の班に分かれて昼食の準備をしていました。また、浴室の見学では、洗面台の前に手すりが付いている様子、車椅子のまま入れるお風呂や蒸気のお風呂なども紹介していただきました。
続いて、ワインの製造過程の見学をさせていただきました。ワインの製造過程で出てくる、食物がなくて気絶した酵母の抽出にも園生の方が携わっていると伺いました。また、コルクを瓶にはめる作業は、手先が器用な園生の方が行っていると聞きました。私たちの何倍もの大きさのあるワインタンクを見たり、手作業でワインのオリを口に集める現場も見学しました。
見学後には、ワインをいただきました。見学した際にぶどうの栽培から醸造までの工夫をたくさん聞いたので、実際に見た際には感動しました。とても美味しいワインでした。
午後には10人が2つの班に分かれて椎茸の原木運びとブドウ畑での農作業を少し手伝わせていただきました。私はブドウ畑での農作業を行いました。責任者の方、園生の方に手伝っていただきながら急勾配の農地でフェンスに絡まった草を取りました。急勾配を登るのはとても大変でしたが、集中して作業をするのはとても楽しかったです。作業中も、責任者の方が常に園生の方に個別に声掛けをされていたのが印象的でした。
見学を通して、園生の方が活き活きと過ごされているというのがとても印象的でした。
見学する中で、越知様が実際の園生の方のエピソードを沢山話してくださいました。中でも印象に残っているのは、外や斜面で働くより建物の中で働く方が合っている方は園生の方の洗濯をする係になる、耳で聞くよりも目で見たほうが覚えやすいという方に対してその人用の写真付きのスケジュールが入ったファイルを作るなど、一人一人の能力、気持ちを大切にしている点です。このことから、園生の方々の持っている力や個性を発揮できる・活かせる環境を提供するため、施設の取り組みや一人一人に対する対応を変えながら対応していることがわかりました。
障害者の方を特別に扱うのではなく、一人一人を「必要とされ、働く人」として尊重しながら、園生の方が活き活きと暮らせるように工夫している施設であると感じました。
改めまして、このような貴重な機会をくださったココ・ファーム・ワイナリー様、こころみ学園の皆様、そして社会福祉法人こころみる会 統括管理者/ココ・ファーム・ワイナリー 農場長の越知様、本当にありがとうございました。




